「これからの「正義」の話をしよう - いまを生き延びる為の哲学 」マイケル・サンデル著の書評

「これからの正義の話をしよう」はハーバード大学で哲学を教えているマイケル・サンデル教授が書いた哲学書であり、厳密にはビジネス書には分類されないかもしれないのですが、世界中のビジネスマンやサラリーマンに読まれている話題の書籍でもあります。

本作では、「世の中の決め事の中には「そうではないのでは?」と指摘すべき事柄がたくさんある」という「現代社会を覆う「多数決の矛盾」」に真っ向から切り込む内容になっています。
マイケル・サンデル教授は、「もし民主主義を正しい思想ととらえるのであれば、古代ローマにおいてかつてのキリスト教徒がコロセウムでライオンなどの猛獣に奴隷を戦わせて楽しんでいたあの時代は、まさに「コロシウムの中の多数決」が最大化された具体的な例である」という少々難解な議題を読者にぶつけるなど、マイケル・サンデル教授が得意とする「歴史上の実例を出して、読者に問う」という形式で話を進めていきます。

この議題で読者に問うているのは、「古代ローマのコロシウムの中では奴隷をライオンに食わせる“娯楽”をコロシウムにいる観衆のほぼすべてが“皆が楽しむ為に必要な物”としてとらえていた」事であり、これを現代に置き換えるならば、「“平等主義”の名の下に、現代社会においても資本主義には食う者と食われる者が存在しているということです。

いまだに古代ローマの時代の「大勢が「是」とすれば、それが正義となる」“無意識的多数決社会”である」という現代社会にも通じる「数の暴力」が持つ側面について述べるおり、資本主義社会で生きる私たちにとって、「どのような道が正しいのか?」という人類の永遠の課題を考えるよいきっかけとなりました。



「道をひらく」の書評

松下幸之助の著書「道をひらく」は発行以来500万部を超える、ビジネス書としては世界に名だたるベストセラーです。
昭和の大経営者松下幸之助氏がその人生において感じたこと、学んだことを後世に伝えるためにわかりやすく記したビジネスマンにとってのバイブルといってもよいでしょう。

松下幸之助氏の教えがいつの時代も尊ばれる理由がいくつかあります。
まず最初に何といっても時代を超えても変わってはならない「普遍的な考え方」が記されているです。例えば、「人はなぜ仕事するのか」「なぜ、企業は存在するのか」という疑問に対してはいつの時代も回答は変わりません。これこそまさに普遍的なものです。

次に松下幸之助氏が学歴があるわけでもなく、体が丈夫なわけでもなく、非常に親近感のある存在だと感じさせる点です。だからこそ、「道をひらく」の中で語られる一言一言が非常に自分事のように感じられて参考にできると思わせるわけです。

さらに、経営者として「経営理念の必要性」「人との接し方」という考え方だけではなく、一個人としてどう社会と接していくかという一般論も松下幸之助氏独自の視点で語りかけてくれるところが時代を超えて受け入れられているポイントです。
天才でもなく、裕福な家庭の出でもない松下幸之助氏が語りかける言葉だからこそ、時代を超えて世界で読まれるわけです。

ビジネス書としてだけではなく、人生のバイブルとして位置づけられるこの「道をひらく」。社会人になる前、そして社会人になったとき、家庭を持った時、部下を持った時と様々な立場で読み返すといろいろな発見があるはず。その発見こそが人生における成長といえるでしょう。
まずは松下幸之助氏の言葉に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。



「フリーランス&個人事業主のための確定申告」山本 宏 (監修) の書評

技術評論社が出している確定申告関連の専門実用書籍としては、「フリーランス&個人事業主のための確定申告」という本がありますのでご紹介します。

人生で初めて確定申告などを行う個人事業主やフリーランス、零細企業事業者などの方には大変うってつけな解説本といえるものかもしれません。青色申告・白色申告の何れにも対応がされているような仕様内容になっており、翌年度以降などにおいて何れかどちらの申告様式に切り替えても対応が可能になっている内容の解説がなされており、大変利用価値が高い解説書です。

そして、帳簿記帳の方法から申告のやり方に至るまで全て理解が容易な記述内容の仕様で書かれていますので、割と簡単に確定申告書を完成させることが可能です。
同書内容の指示通りに申告をしていくべき科目種類の記述入力作業をしていけば、思ったよりスムーズに確定申告書の完成をさせていく事が可能です。そのためタダでさえ時間が惜しい個人事業主やフリーランスその他の方でも余計な時間を掛けたりせずに完成作業を行っていけるような流れになっています。

国税庁の公式サイトにある確定申告コーナーにおいても、初心者向けサポートのための手引き・解説動画等も公開されていますが、それでも税務関係については一般の方には聞きなれないうえにわかり辛い専門用語などが大変多く、申告書の作成の際においては混乱してしまう方もいたりします。そのような事態なども見据えたうえで本書は作成されておりますので、確定申告初心者の方におすすめです。


税法改正と税理士

納税に関する手続きを行っている方々は、知らず知らずの内に手違いを起こしている事があります。それで後で面倒な事態になってしまうケースも、たまにあります。
例えば帳簿付けに関する新ルールです。2014年1月より、白色申告者についても帳簿を記録するという法改正が行われています。それで多くの個人の方々は、その事実を知りません。記録付けという事実を知らない事により、全く記録していない方もたまに見られます。

それと、番号制度(マイナンバー制度)に関する新ルールもあります。納税手続きの書類を提出する際には、必ず自分の個人番号(マイナンバー)を記載する必要があります。
ところが中には、その番号の記載に関するルール自体を全く存じていない方もいらっしゃいます。記載していなかった時には、後になってトラブルも起こり得ます。税務署から怒られてしまう可能性もあるでしょう。
そういったミスを防ぐ為の対策はとても重要です。

事前にミスを防ぎたいと思うなら、税理士に相談するのが一番無難です。税金の専門家だけに、最新の法改正も熟知しているからです。多少の費用はかかってもミスを防ぎたいと思うなら、やはり相談をするのが無難と言えます。

「個人事業の帳簿のつけ方 節税のしかた」平石共子 著の書評

今回ご紹介する書籍は「個人事業の帳簿のつけ方 節税のしかた」です。
著者は現役の税理士で平石共子さんです。

初版本は2005年7月1日ですが、実に21刷と重版を重ねている個人事業主向けの税金・確定申告関連本です。
その重版歴からも広い読者層に長らく読み継がれている人気の本であることがうかがいしれますが、私自身この本を初めて手に入れて読んでみたことで、新たな気づきや今まで分からなかったことが明瞭になったことがいくつもありました。その点でもこの本は税金や確定申告に苦手な、あるいはこれから学ぼうとしている経営者や経理担当者には大変役に立つ一冊だと思います。

公認会計士や税理士の書かれている本はどちらかというとお堅いイメージのものが多く、文章も固いものが多いので読んでいて途中で投げ出したくなるものが多いのですが、この本に関しては難しい税金や確定申告のテーマをかなり平易な言葉で書いており、さらにしっかりと基礎的な面にも触れながら書かれているので、税金や確定申告の知識がなくても割とすっと理解できる本だと思います。
ちゃんと読者目線で書かれている初心者向きの本だと判断しています。

さらっと目次をなぞると
1章 個人事業の経理
2章 日々の経理に必要な帳簿と記入のしかた
3章 消費税
4章 確定申告するとこれだけお得
5章 仕入・売上の経理処理と代金決済の方法
6章 給与計算と社会保険事務
7章 節税のための経費の計上方法
8章 決算書の作り方
9章 税金の計算方法、申告・納税ポイント
となっています。

多少の知識がある人は必要に合わせて単元ごとに読むこともできますし、知識があまりなくてもどの章から読まれても十分理解できるように構成され書かれています。おススメの一冊です。